素晴しき男性


1958年 監督:井上梅次 
主演:北原三枝 石原裕次郎 月丘夢路
コスチュームデザイン:森英恵 
ショーコスチュームデザイン:佐谷三平 
ショーコスチューム布地提供:東福毛織株式会社


恋と結婚に揺れる乙女の青いバラのワンピース


(物語)

踊り子の陽子(北原三枝)は理想の「素晴しき男性」との結婚を夢見ている。そんな彼女にプロポーズをする男性が現れ…。

監督・脚本・原作、そして振り付け&ショー構成&歌詞までも担当したどこまでも井上梅次ワールドのドリーミーなミュージカル映画。冒頭からミュージカルシーンで始まり、ドラマになったかと思うとその後はドラマの中に唐突にミュージカルシーンが差し込まれていく。そんな流れがいかにも井上梅次でニコニコ。
日劇ダンシングチーム出身である北原三枝も踊る、元宝塚の月丘夢路も踊る。この二人は自分の心理的葛藤をそのまま踊ってしまうのが一興。ミュージカルがちょこちょこドラマに差し込まれるため、なんと西村晃まで歌って踊り出すのが梅次流。
セットも衣裳も素敵なステージシーンはカラフルでスイーティー。美術・中村公彦の手腕が光る。
北原三枝の姉、山岡久乃が洋裁店を切り盛りしていて、キネマ洋装店向きの映画でもある。

ブルーの薔薇のワンピースの北原三枝。柄が大きく華やかだが乙女らしい清楚さも。森英恵が手掛けたカラー映画の衣裳の中でも5本の指に入るドレスだと思う。<なお、薔薇の柄はイラストでの再現が難シカッタ・・、あくまでイメージとしてご覧ください>
他にもお見合いシーンでのブルーのストライプのドレス、白地にグレーラインの格子にブルーのテーピングがされたツーピースなど北原三枝の衣裳はどれも品があって清々しい印象。彼女のスレンダーな体にフィットしているのもさすがは森英恵。
また、月丘夢路の衣裳にもぜひ注目を。少しお姉さまなご令嬢ファッションが楽しめる。とりわけブルーの水玉の襟のついた白いワンピースに白い帽子<同じ水玉のチーフがついている>がステキ。



トップへ戻る