昨日と明日の間 1954年　監督：川島雄三　 主演：鶴田浩二　月丘夢路　淡島千景 衣裳：杉山利和
夢を追いかける男を追いかける女のツーピース （物語） 会社を辞職し船旅に向かった白戸(鶴田浩二)は船上で自殺未遂を起こした人妻(月丘夢路)と出会う..。 芦屋のマダム月丘夢路と、三宮の「不良」娘淡島千景が野心的な事業家鶴田浩二をめぐって恋のバトルを繰り広げる展開もそれはそれで面白いのだが、なんといっても川島雄三の実験的でユニークなセットやアングルが印象に残る作品。会社のお仕着せ的な企画を川島流の反骨精神でスクリーンの中で遊んで見せているさまがうかがえる。冒頭、淡島が電話をしているカットからテーマ曲が終わるまでのスピーディなオープニング、ここまででもうツカミはＯＫ。ぜひ目を凝らして観ていただきたい。他にも映画のスクリーンが裏映しになってる不思議な事務所のセットなど斬新さに目を見張るシーンがあり、うなることシキリ。 大木実、大坂志郎ら元海軍航空兵で米軍の掃除仕事をしながら航空会社設立を夢見る男たちも、戦後アクティブに立ち上がるさわやかな青年像が描かれててナンカイイ。	冒頭のシーンや途中の海辺のシーンで淡島千景が着ているツーピース。ボートネックで袖の肩のところにもネック周りと同じ黒い生地の切込が入ったデザイン。バッグは黒と白の紐？が縞に編みまれたような凝ったもの。この映画、ベリーショートの淡島千景が勝気でかつ姉御肌なキャラクターを演じているのがステキで、役柄にあったモダンな服がたくさん出てくる。サロペット、細かいプリーツの入ったサマードレス、などなどぜひ注目を。
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