女性自身 1962年　監督：福田純　 主演：藤山陽子　佐原健二　浜美枝
ＢＧのアフター５はトレンチコートで （物語） 真理子(藤山陽子)は丸の内の商社に勤めるビジネスガール。ある日、給湯室にいる同僚の悠美子(浜美枝)と多久(佐原健二)のとある現場を目撃してしまう…。 源氏鶏太原作のサラリーマンラブコメ。この映画で初主演の藤山陽子は科白のカツゼツこそ悪いものの、かえってそこが生硬で堅実なお嬢さんぽさが出てて好印象。佐原健二に情熱的にアプローチする浜美枝や、女癖の悪い明らかにダメンズな伊藤久哉に一図に尽くす姉原知佐子と対照を成している。 銀座の喫茶店「青い麦」＜内装がステキ＞、バー「ホワイト」＜マダム中北千枝子の気風の良さがステキ＞、休日のゴルフ場＜高輪プリンスホテル！＞、サラリーマンやビジネスガールたちの日常はこんなにも豊かなものだったのかと思いを想いを馳せる。 藤木悠の、藤山陽子へのアタックもコミカルで面白い。ちなみに、文明堂のカステラの包みがご丁寧に「明文堂のカステラ」になってて美術さんのきめ細やかなお仕事を観ました。 そして、これまたどうでもいいんだけどキニナッタ事。浜美枝の鯛問題。袋に一匹ぶらぶらと日曜に佐原の部屋に持ってきてて、翌日オフィスで机に返されてる。おまけに屋上に持ってくる。塩漬けなのか、だとしてもちょっと鮮度ヤバイんじゃないのかしら。 沢田駿吾の音楽もヨイ。藤山陽子のスチールが重なるオープニングで流れる曲がクール。そして、エンディングの音楽もキレがあって爽快。
	藤山陽子のトレンチコート。5時になったらロッカーで事務服から着替え、スカーフを巻いてコートを着る、というビジネスガールを象徴。藤山陽子の服は、派手さがなくて、堅実で、育ちに陰りのない中流家庭のお嬢さんらしい感じが出ている。たとえばお見合いですらも短い襟のチェックのワンピースで質素。ダイニングテーブルで家族で夕食を囲む時のカーデガン姿も好感が持てる。
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